節税のための保険に加入するなら

製造業の経営者の方は「黒字が出た年の利益をできるだけ温存して、新しい商品の開発などにあてたい。そのための方法として、節税効果のある保険に加入しておきたい」と考える人もいるでしょう。

節税効果のある保険商品もありますので、慎重に選んで加入を決めることが大切です。
その前に、「保険に加入して、3年から5年という長期にわたって、保険料を支払い続けることができるか?」も考えておく必要があります。

というのは、節税効果を狙って加入する保険は、保険料の支払いをある程度続けることに意味があるからです。

会社の資金繰りが悪化して、1年以内といった短期間で解約をすると、わずかな解約返戻金しか受け取ることができず、かえって会社の資金繰りが悪くなるという可能性すらあります。

そのため、3年から5年の資金繰りを考えた上で法人保険に加入するとともに、仮に保険料が支払えなくなったときも、保険契約そのものは継続できるような方法をまずは実行し、解約はできるだけ避けるという方針を、あらかじめ打ち立てておきましょう。

会社の資金繰りを管理するために、資金繰り表を作成しておくことはぜひともお勧めしたいところです。

PL事故や労災など思いがけないことが起こり、一時的に経営状態が悪化した場合も、どのくらい資金繰りに影響がありそうかが分かりやすくなるため、保険の面でも対策がしやすくなります。

節税効果を狙って加入する保険には、たとえ保険料が支払えなくなっても「契約者貸付制度」を利用したり、払い済み保険への移行や、保険期間の短縮といった方法で、保険料の負担を軽くする方法もあります。

さらに、年払いにしていた保険料を、月払いに変更することで、一度に多額の保険料を支払うのではなく、少しずつ負担していく形になります(ただし、保険料の払込総額が年払いに比べて増えることには注意が必要です)。

また、保険契約の全てを解約してしまうのではなく、保障内容の見直しを行って、特約部分を外していくなどの工夫をすることにより、保険料の負担を軽くする方法もあります。

製造業の世界では、ヒット商品が生まれるなどの理由で経営が黒字化することもあれば、貴社製品がPL事故の原因となって経営面での打撃を受けることや、貴社製品には何の問題もない場合でも、社会全体の情勢の変化により、品物が売れなくなるといった変化も起こり得ます。

そのような時、保険契約をできるだけ解約せずに済むよう、あらかじめ資金繰りの検討をしておきましょう。

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