人材の定着がPL事故リスクを下げる

貴社製品が原因で起こってしまったPL事故は、「その事故への対応が完了すればすべて終わり」という時代ではありません。

インターネット上で拡散してしまった情報はいつまでも残りますし、企業イメージ、製品のブランドイメージなどが損なわれる可能性もあります。

そして、消費者の権利意識が高まっている現代は、消費者の間でも裁判を起こすことへの抵抗感が薄れています。

企業としては「事故が起こってしまった場合の対応」を迅速に行うとともに、事故が起こらないような体制づくりが必要となり、その有効な手段として「事故を起こしにくい、品質の高い製品を作ること」が重要となります。

製品について熟知し、愛着をもっているベテランの技術者が作る製品と、技術的に未熟な、製品についての知識も不足している新入社員が作る製品は、品質面に何らかの差が出てこないとは限りません。

企業側としては、いったん雇い入れた社員には定着してもらい、自社製品への愛着と技術を育ててもらうということが重要です。

社員が安心して製品作りに臨めるような、福利厚生の充実が急務です。

あまりにも長時間の労働を強いてしまうことについては、労働基準法や労働安全衛生法による取り締まりが厳しくなっていますが、これらの法律を守って労働時間を定めることが、社員のモチベーションを維持し、体調や集中力を良い状態に保つことにつながります。

通勤手当の充実や、保育施設を設けることなど、社員の定着のためにできることはあります。

製造業務そのものについても、新入社員の成長にあわせた技術の承継を行い、機械類の整備や点検の重要性について、社員の全員で意識を共有することが重要です。

製造業界が人手不足で、業務が非常に忙しい中で、社員教育や福利厚生の充実など、様々なことを行わなければならないのは、経営者の皆さんにとって厳しい状況ではあります。

しかし、人手不足を解消しなければ、企業としての将来も限定的になってしまいますので、まずは「人材が定着していない理由」「人手不足に陥っている理由」を見つめましょう。

「新人がすぐに退職してしまう」なら、新人への教育体制は整っていたのか、給与体系や福利厚生は納得してもらえるものであったか、見直しましょう。

PL事故を防ぐという観点からは、遠回りに見える施策かもしれませんが、少し時間がかかったとしても「人材の定着」「ベテラン技術者の育成」などが、やがては製品の品質を高め、PL事故を防ぐことにつながっていくでしょう。

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